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第655話妹を甘やかす

「十二月二十五日の夜、父さんが公園で花火大会を企画してくれたんだ」ロンは心からの招待の気持ちを込めた目で彼女に言った。「君とダフネは二人とも花火が好きでしょ? 君たちを特別に招待したんだよ」

ダイアナは最初こそ喜んだものの、何かを思い出したかのように、その表情は少し憂いを帯びた。

ロンはそれに気づき、「どうしたの?」と尋ねた。

「行けないの」ダイアナは招待状を手に言った。

ロンは一瞬言葉を失い、そして尋ねた。「どうして?」

「明日、チャールズさんが家に来て、私とルイをイヴレーア市に連れて行ってくれるの」ダイアナはロンに招待状を返しながら説明した。「二十八日まで戻らないのよ」

ロンの目にわずかに...