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第652話恥ずかしく思ったことはない

ダフネはまだ少し混乱していた。本当は、これをデイジーのために仕組んだのはオースティンだと言いたかったのだ。

しかし、オースティンはまだ現れていない。ダフネが彼のことを早まって暴露するわけにはいかなかった。

ちょうどその時、ベンジャミンが向こうから歩いてきた。ミドル丈のコートを着た彼の長身は、より一層ハンサムで堂々として見えた。

ベンジャミンはダフネの前に立ち、優しく彼女の手を取って言った。「以前は僕が悪かった。許してくれるかい?」

ダフネは当惑した。一体どういうことなのだろう?

「何も言わないなら、イエスと受け取るよ」ベンジャミンはダフネを腕の中に引き寄せ、そして彼女の耳元で囁いた。「...