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535話

「シェアしたいのか?」ベンジャミンはのんびりと歩み寄り、気さくに尋ねた。

全員が固まり、誰も言葉を発さなかった。

ベンジャミンは彼らの顔を見回してからドミニクに言った。「お前の皿を六等分して、みんなに分けてやれ」

「絶対嫌だ!」サムが一番に反対した。

「冗談だったの」虫に恐怖を感じていたエマがすぐに言った。「本気じゃなかったわ」

他の者たちも口を揃えて「そうそう、全くの冗談!」

ドミニクは言葉を失った。なんて当てにならない連中だ!

結局、ドミニクは揚げ虫を一人で食べることになった。

あの虫のことが頭から離れず、昼食をあまり食べられなかったドミニクは、食堂を出るときにはまだ空腹だ...