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515話

ルイは無言で階段へ向かおうとしていた。

「ちょっと待て」とギルバートが声をかけた。

「何だ?」ルイは短く尋ねた。

「ヘスティアと話がしたい」ギルバートは相変わらず冷たい表情で言った。「安心しろ、子供たちの教育のことだけだ。親権を手放せとか言うつもりはない」

ルイは少し考えてから答えた。「彼女に伝えておく」

ギルバートはうなずき、階下で待っていた。

ルイは彼に合意書を手渡し、それからヘスティアに全てを説明するため上階へ向かった。

ギルバートが話したいと聞いたとき、ヘスティアはすぐに逃げ出したいと思った。

「彼と会いたくないなら、俺が下りて帰れと言ってもいい」ルイは彼女の躊躇を見て...