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479話

もし他の誰かだったら、ダフネは平静を保てたかもしれないが、その時、彼女の心はばらばらで、どう対処していいのか分からなかった。

でも当時はそれについてあまり考え込まず、ただ恐怖のせいだと思い込んでいた。

後に、ベンジャミンが率直に告白した時、彼女は彼を断る言葉が見つからなかった。

彼女は一緒に過ごす時間の中で、少しずつベンジャミンに惹かれていったことに気づいた。

一目惚れではなく、時間をかけて育まれた感情だった。

「どうして黙ってるの?何を考えてるの?」エマが肘でつついた。

「何でもない」ダフネはハッとして、さりげなく答えた。「いつから彼のことを好きになったのか分からないけど、彼が告...