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461話

「うん」ダフネは頷いた。

「じゃあ、教えてよ」ベンジャミンはニヤリと笑って、彼女がからかっているだけだと思った。「俺のあだ名は何?」

「本当に知りたい?」

「ああ」

「バブ」ダフネは思わず口にした。

アヌークはベンジャミンがそのあだ名を嫌っていると言っていた。五歳になってから、誰にもそう呼ばせなくなったらしい。クリスとはそのことで喧嘩までしたという。

「バブ」というあだ名はベンジャミンの雰囲気に合わないけれど、彼は名前なんて気にしないタイプに見えたのに。

いつも冷静なベンジャミンの表情が一瞬崩れたが、すぐに取り繕った。

彼の目は静かなままだったが、より謎めいた感じになり、「母さ...