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297話

「そのまま参加賞の箱に入れちゃえばいいわ」とダフネは思慮深く提案した。「抽選会の後で、箱の中に謎のプレゼントがあると発表して、誰が受け取るか見てみましょう」

こうすれば、大騒ぎにならずに済む。彼女はベンジャミンに公然と渡すことができるだろう。

ジェシーは頷いた。「わかった」

「今年の年次総会に来るの?」ジェシーは尋ねた。ダフネはいつもこういった会をスキップしていた。いつも彼がすべてを取り仕切っていたのだ。

ダフネは首を振った。「ううん、8階の仮面舞踏会に行くわ」

ホライゾンテックグループであれマーフィーグループであれ、彼女は決して出席しなかった。数日前にベンジャミンが仮面舞踏会につい...