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380話

朝7時きっかりに、エミリーとバートはホテルのロビーで待っていた。

小さな赤い旗を持ったツアーガイドが彼らに気づき、興奮して手を振った。「カーターさん!」

エミリーは温かく微笑み、手を振り返した。「おはようございます、アンダーソンさん」

「おはようございます!私より早く来ているなんて信じられませんね」ガイドは大きなバックパックを肩にかけ、数枚の地図とノートを手に持ってジャグリングするように扱っていた。

「でも、七時に集合と言われませんでしたか?」

「はい、でも私たちのグループはほとんどが年配の方々で、朝はちょっとゆっくり動かれるんです。多くの方が朝食をきちんと取る習慣があるので。ローマは確かにロ...