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チャプター 138

ジャックス視点

連邦の正式な施設への移送は、まるで手品のようにあっという間だった。さっきまでウィリアムの闇の収容所の名もない独房にいたかと思えば、次の瞬間には弁護士が立ち会い、書類が作成され、本物の憲法上の権利が保障された正式な収監手続きを受けていたのだ。

だが、新しい拘留区画で国選弁護人を待っている間、これが救出などではなく、ウィリアムとスカイラーが繰り広げているゲームの次の一手に過ぎないという感覚が、どうしても拭えなかった。

「何かがおかしい」と隣のベンチに座るルーカスが言った。「連邦検察が、偶然、帳簿外の拘留施設を見つけるなんてありえない」

「スカイラーだ」ハリーが確信を込めて言った。...