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695話

「デジレ、どこに行くの?」テッサは彼女のところに急いでやってきた。

リアムも続いて、スーツケースを掴んだ。「少し空気を吸いたいなら構わないけど、もう夜遅いよ。ちゃんと休んだほうがいい」

「ただ散歩するんじゃなくて、パールに会いに行くの。あなたたちも知ってるでしょ」デジレはパールの名前を出して、彼らの心配を和らげようとした。

リアムとテッサは顔を見合わせた。二人はパールを知っていたが、デジレを行かせることには乗り気ではなかった。

結局、彼女とハロルドはブラウングループで恋に落ちたのだ。今、ようやく離婚の段階まできたのに、パールに会いたいと言い出した。もしハロルドがそこにいて、また彼女を魅...