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682話

デジレとダリルが階下に降りると、テッサがリビングのソファでくつろいでテレビを見ているのを見つけた。

「こんにちは、サンドビックさん」ダリルは笑顔で挨拶した。

テッサは顔を上げ、彼に明らかに好感を示した。しかし、デジレに目が留まると、心配の色が顔を覆った。「デジレ、一晩中起きていたの?」

それも無理はなかった。デジレとハロルドがどれほど愛し合っていたかを考えれば。

今、二人が別れようとしているので、彼女はきっとひどい気分に違いない。しかしテッサは、苦痛を長引かせることの方が悪いことを知っていた。デジレのことを気の毒に思っても、彼女が弱っているからといってハロルドと復縁させるわけにはいかな...