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654話

ダリルはもう一度プロポーズをし、デジレはその必死さを感じて逃げ出したくなった。

翌日、デジレの熱が下がった後、彼女はダリルに帰りたいと告げた。ダリルは凍りついた。「君はまだ具合が悪いのに。なぜ帰りたいんだ？チャップマン先生は君にもっと休養が必要だと言っていたよ」

ルーファスは昨日帰る前にそう言っていた。

しかしデジレは彼を信用していなかった。特にダリルと親しげにしている様子を見て。

だから彼女は自分の立場を譲らなかった。

ダリルの目は冷たくなった。彼は一言も発せず、リビングルームは静まり返り、ナイフで切れるほどの緊張感が漂った。

ブリンたちも黙っていた。

永遠とも思える時間が過ぎ...