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651話

デジレーの顔は血の気が引いて幽霊のように真っ白になった。まるで血管の中の血がすべて氷に変わってしまったかのようだった。

ハロルドは拳を強く握りしめていた。「厳しすぎるよ。これは彼女のせいじゃない。謝るべきだ」

「わかったわ、謝るわ」エンバーは言ったが、その表情は冷たく凍りついていた。「デジレー、わかってほしいの。私たちの家族は王族じゃないかもしれないけど、ハロルドの父も私も教育者なの。あなたのような人は受け入れられないわ」

エンバーは最初から優しくするつもりなど毛頭なかった。

デジレーは裸にされて通りに放り出されたような気分だった。屈辱が体中を焼き、呼吸さえも困難にさせていた。

彼女...