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637話

デジレはすぐに箱を覆い隠して言った。「誰も一言も言わないで。いいわね?」

皆が困惑した表情を浮かべる中、彼女はオフィスに急ぎ、赤いベルベットの箱をハロルドの机に置いた。

ハロルドはそれを一目見て尋ねた。「またあの男か?」

「そうみたい」デジレは眉をひそめた。まだなぜこの人が彼女にものを送り続けるのか分からなかった。「今回は明日会おうって書かれたメモが入ってたの」

ハロルドはそれを手に取り、彼女の言った通り、そこに書かれた住所を確認した。

「ユニバーサル・スタジオはここから遠くない」とハロルドは言った。

デジレは尋ねた。「会いに行くべきだと思う?」

ハロルドはメモを置き、落ち着...