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55話

パールは驚いて見上げ、自分の耳を疑った。

彼がこんな風に彼女を褒めるのは初めてだった。

今日は何が違うのだろう?

パールとオスカーは視線を交わした。「本当に?」と彼女は尋ねた。

オスカーは彼女の顔を縁取る髪に指を通し、静かに笑った。「自信をなくしたのか?」

パールは落ち着かない気持ちになった。これまでと違う態度に戸惑いながらも、認めたくなかった。「全然そんなことないわ」

「今夜の君は美しい。その服は完璧に似合っている」とオスカーは彼女を褒めた。

パールは彼の腰に腕を巻き、数歩前に進んで彼の抱擁に飛び込んだ。

「他の人に見られるなんて考えられないよ」とオスカーはかすれた声で囁い...