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22話

イアン視点:

「ママ、出かけてくるよ。待たなくていいから」

階段を降りて玄関へ向かっていたところだった。でも母さんの動きは素早かった。彼女は駆け寄って私の前に立ちはだかった。

「クリスマスに帰ってくると言ったとき、本当にクリスマスを一緒に過ごすつもりだと思ったのよ。でもほとんど顔を見せないじゃない」

「友達と一杯やると約束したんだ。明日は一日中家にいるから、約束するよ」僕は両手を上げて降参のポーズをした。母さんとの言い争いに勝ったためしがない。

「わかったわ。友達と素敵な夜を過ごしてね」彼女は一瞬間を置いて続けた。「でも問題を起こさないでよ!」

「心配しないでよ、ママ。もう十六歳じ...