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1178話

まるで最後にクロエを抱きしめるために、一分一秒を惜しむかのようだった。

おそらく今夜オーロラ島を離れると思っていたからだろう、彼は出発の準備が完全に整っているようだった。

「イーサン...」クロエは目をまばたきし、彼に抱きしめられたまま、両手をどこに置いたらいいのかわからなかった。

「姉さん、愛してる」

クロエは呆然とした。

「幸せになってほしい」彼は静かに言った。「好きな人を見つけたことを祝福するよ」

そこでようやくクロエはゆっくりと口元を緩めた。「ありがとう。サミュエルとあなたの祝福があれば、私は幸せになれるわ」

イーサンは彼女から手を離すと、ゆっくりと顔を伏せた。「今夜、サ...