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1059話

「見て」とクロエは胸元の襟を見つめながら言った。そこには銀杏の形をしたダイヤモンドの針があった。彼女の声は嗚咽で詰まっていた。「これはあなたが私の誕生日にくれた針よ。つけてみたの。とても綺麗。サミュエル、あなたの優しさに感謝するわ」

「ああ、見たよ」クロエはうなずいた。「気に入ってくれたなら良かった、姉さん。イーセンが姉さんのためにクリスタルマジックキューブを手に入れるために国へ行った時とは違って、私はそれを取り戻すのにとても苦労したの。ただ宝石職人に頼んで姉さんのために作ってもらった胸針よ」

「いいえ、私は銀杏の葉がとても好きなの。前に言ったでしょう」クロエは涙目で微笑んだ。「大学にいた...