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第684話ヘンリーの喜び：モンタギュー家の相続人

エイブリーはしばしうとうとしていた。

階下では、かすかな家事の音がし始めた。腕の中では、マギーが身じろぎし、嫌がるように身をよじった。

彼が強く抱きしめすぎていたのだ。少女の声には不満の色が混じっていた。「トイレに行きたい」

エイブリーは目を開けた。マギーの顎までの長さの髪は艶やかで整っており、丸一晩眠った肌は温かく、柔らかかった。

五歳にしては肩は華奢で、その小さな体は彼の胸にすっぽりと収まるほどだった――そしてエイブリーにとって、彼女はこの上なく愛おしい存在だった。

彼女は一人で行けるのだが、それでも彼は体を起こし、ベッドから彼女を抱き上げると、バスルームまで運んでやった。マギー...