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第590話ヤコブ、もうチャンスはない 2

一日後、エバーグリーン市拘置所

高い壁の向こうから現れたセラフィナを、イサドラは迎えに来ていた。黒い車のそばに立つセラフィナの顔には、紛れもない疲労の色が刻まれていた。

「イサドラ、ママは?」セラフィナはすぐに駆け寄った。

イサドラはセラフィナの髪を優しく撫で、一瞬の間を置いてからそっと口を開いた。「弁護士に相談したわ。あなたの場合、正当防衛が認められる。でも、ママの状況は違うの――過剰防衛、それに遅延防衛と見なされる可能性があるって」

セラフィナは凍りつき、その言葉を理解できなかった。

「国で一番の弁護士、ジェイド・ハワードを雇って、お母さんの裁判を闘ってもらうことにしたわ」イサド...