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58話

グレースは囁いた。「ダメ」

彼女は顔を背け、さらに小さな声で言った。「生理中で、まだ終わってないの」

ヘンリーは一瞬驚いたが、そっとグレースの化粧をしていない顔に触れた。彼女の肌は信じられないほど柔らかく、手を離したくなかった。

彼は笑って言った。「グレース、俺が君の生理中にセックスを強要すると思ったの？」

グレースは黙ったまま、目が潤んでいた。ヘンリーは彼女の言葉にならない思いを感じ取り、過去の自分が利己的に見えていたかもしれないと気づいた。自分がいつも優しくなかったことは分かっていたが、生理中に彼女を責めたことは一度もなかった。

ヘンリーは優しくグレースを膝の上に引き寄せた。グレ...