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第558話ニコール、彼女は私の恋人じゃない!2

ニコールはすでに精神的に限界だった。

「いい子だから、俺をハニーと呼んでごらん。そうしたら、離してあげる」セロンは彼女の可憐な顔から目を離さず、そう囁いた。

輝くような肌に触れる髪が微かに揺れ、息をのむほど美しい光景を描き出す。彼女は無垢でありながら妖艶でもあり――まさに圧巻の美しさだった。

ついに、ニコールは彼の腕の中で堪えきれなくなった。涙に濡れた睫毛が彼の肩に触れるなか、彼女は震える声で囁いた。「ハニー」

その言葉を口にした瞬間、羞恥心がニコールを襲い、彼女はセロンの首筋に顔を埋めて、二度と上げようとはしなかった。

セロンは彼女の体をきつく抱きしめた。肌と肌が触れ合うほど近く、...