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第553話ニコール、あなたへの私の愛は決して色あせなかった

車が走っている間、ニコールはずっと黙り込んでいた。

セロンは前方の道路に集中しながら、片方の手でそっと彼女の手を探し当て、優しく握った。ニコールは彼の方を向いた。「セロン?」

交通状況から目を離さないまま、セロンは静かにため息をついた。「ニコール、君は家に帰るんだ。死刑台に送られるわけじゃない」

ニコールは前を走るRV車に目をやり、つぶやいた。「似たようなものよ」

セロンの口元に魅力的な笑みが浮かぶ。「緊張すべきなのは僕の方だろう。心配ない――僕が一緒にいる」

前方の信号が赤に変わり、車が停まった。ニコールは彼の肩にそっと寄りかかり、か弱く、柔らかな声で言った。「だからこそ、緊張する...