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第513章ニコラスの贖罪

セーラは戸惑った。「ムーア様?」

カリオペはセーラに視線を移し、言った。「それなら、ニコラスに違いないわ」

彼女は子供を抱きしめ、その表情は悲しみに沈んでいた。

セーラはしばし思案した後、提案した。「もし彼にお会いになりたくないのでしたら、私が代わりにお話ししましょうか?」

しかしカリオペは答えた。「避けられないわ。あの子が私と一緒にいることをもう知っているのだから、今会うのを拒んでも、彼は何度も来るだけでしょう。今日のうちに済ませてしまった方がいいわ」

カリオペは使用人を呼び、ニコラスを面会のために小さな応接間に連れてくるよう指示した。

使用人がその命を受けて下がった後、カリオペは新...