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第505話今回は彼女と遊んでるだけ!

深夜、彼らはついに再会した――最後に会ってから一年ぶりだった。

彼は数えきれないほどの苦難をその身に刻みつけていたが、彼女の瞳には、彼が忌み嫌うあの呪わしいほどの無邪気さ、汚れを知らぬ純粋さが未だ宿っていた。

彼を裏切っておきながら、よくもまああんなに平然と生きていられるものだ。何事もなかったかのように自分の世界に現れおって。その美しい化けの皮を剥がしてやりたいと、彼は思った。

「久しぶりだな」

二人は向き合って立っていた。ネオンの光が彼の横顔に影を落とし、表情を窺い知れなくさせていたが、その声だけは――まるで星明かりの下で恋人たちが囁き合う秘密のように――優しかった。

アザレアは質...