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第469話愛に縛られ、一人では止められない 3

皆が息をのむ中、サラが持参した絵画は、クイントンの展覧会に展示されていたものと寸分違わぬものだった。

「この贋作はどこから?」と誰かが囁いた。

サラは一人ではなかった。彼女の傍らにはゾーイ、そしてウィンザー・グループの精鋭警備員が五十名。一人ひとりが並の男十人を相手にできる実力者たちだ。

マシューは疑念に目を細めた。

サラは静かな威厳を漂わせ、彼に歩み寄った。「これがクイントンの真作です。燃えたとされるものは、ただの贋作に過ぎません」

部屋は不信の声でどよめいた。

マシューは冷たく笑った。「なぜ君を信じなければならない?本物のクイントンは画廊に飾られている。君の手元にあるはずがない...