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第601話彼の質問 (1)

ジェームズは過去を思い出しながら、自分の中の野獣が制御不能に唸り声を上げるのを感じていた。

ジェシカは目を見開き、突然、激しくもがき始めた。

だが次の瞬間、ジェームズは彼女の両手を背後で押さえつけていた。

その長身で彼女をエレベーターのドアに強く押し付け、激しくキスをし、その唇を噛んだ。

憎い。本当に憎い。なぜあんなにも残酷に、俺たちの子を堕ろすことができたんだ?

この五年もの間、そのことを思うたびに、彼女を連れ戻して後悔させてやりたいと、そう思っていた!

だが、実際にジェシカが再び目の前に現れると、彼女を傷つけることなどできないと悟ってしまった。

ジェームズの心の中のあらゆる声...