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第560話露出のバラ (2)

アンブローズはククッと喉を鳴らした。「あの母娘のことか? ああ、とっくに海の藻屑にしてやったさ」

ジェシカは恐怖に目を見開いた。信じられないというように彼を見つめる。

アンブローズは口調を和らげた。「いいか、君が俺を悪党だと思っているのは分かっている。だが、本気で君を傷つけるつもりなら、スカイライン・クラブでのあの夜、君を逃がしたりはしなかったはずだ。そうだろ? 君はそこにいた、俺の縄張りにな。抵抗する術もなかっただろう。なぜ今になってそんなことをする?」

ジェシカも彼に一理あることは認めざるを得なかったが、スカイライン・クラブのすべてを牛耳るこの男を、どうしても信用することはできなかっ...