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557話いつもがっかりする人 (3)

彼女は携帯電話も何もかもスカイライン・クラブに置き忘れてきてしまった。ジェームズは家に帰ったのだろうか、と彼女は思った。

もし彼が自分がいなくなったことに気づいたら、探しに来てくれるだろうか?

ジェシカは涙がこみ上げてくるのを抑えられなかった。

どうしてジェームズは、一番必要な時にいつもそばにいてくれないのだろう?

今日とても怖い思いをしたせいか、それとも飲んだばかりのスープのせいか、ジェシカはベッドに横たわると、落ち着かない眠りに落ちていった。

悪夢にうなされて、彼女ははっと目を覚ました。

またドイルの気味の悪い、いやらしい笑顔を夢に見てしまったのだ。

そしてスカイライン・ク...