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548話この時に彼女を置き去りにした (2)

朝食を終え、二人は裁判所へと向かった。

昨日すでに裁判所に連絡済みで、いつでも来ていいと言われていたものの、ジェシカは割り込みを嫌った。そのため、二人は裁判所が開くのと同時に到着した。

彼らがその日最初のカップルだった。

ジェームズはジェシカの手を握り、二人は微笑み合った。

二人が裁判所に足を踏み入れた途端、ショーンが突然息を切らして駆け寄り、ジェームズの前に立ちはだかった。

「ケリーさん」

彼は慌てふためき、落ち着かない様子で、ジェシカにためらいがちな視線を送りつつ、何から話すべきか迷っているようだった。

何かを察したジェームズはジェシカに言った。「少しここで待っていてくれ。す...