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532話もう私を探さないで (2)

ローズは涙が枯れるまで泣き続けたが、それでもジェームズの心を和らげることはできなかった。

彼が自分の行く末まで計画していたとは、彼女も思ってもみなかった。

だが、それがどのような道であれ。

彼は彼女の人生から完全に身を引き、彼女とは一切関わりを持ちたくなかったのだ。

「行くよ。元気で」

そう言って、彼は微塵のためらいも後悔も見せることなく、彼女の家を後にした。

ローズはすぐに彼を追いかけようとしたが、彼女の体調ではそれも難しく、彼の足取りには追いつけなかった。

必死に、彼女は閉まったエレベーターのドアに向かって叫んだ。「ジェームズ、ジェームズ、戻ってきて！」

しかし、残念ながら、返ってきた...