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362話

フェリックスは背もたれに寄りかかりながら言った。「何も欲しくない。ただもう一度、君を振り向かせるチャンスが欲しいだけだ」

コンスタンスの目は嫌悪感で光った。「もう一度私を傷つけるチャンスなんてあげないわ。あなたが何が欲しいのかわからないなら、じっくり考えてから教えて」

そう言うと、彼女は踵を返して歩き去った。彼女はジェームズの病室へと向かった。そこでは彼が退院の準備をしていた。彼女を見ると、彼の目に驚きが浮かんだ。

「ドレイクさん、どうしてここに?」ジェームズは尋ねた。

コンスタンスは微笑んだ。「今日退院するので、お礼を言いに来たの」

「そんなに堅苦しく考えなくていいですよ。ご家族か...