狼なき運命の出会い

75話

トラヴィス

これは間違いなく、私が今まで経験した中で最も居心地の悪いブランチの一つだった。ルーはおばあちゃんに何か質問された時だけ話し、ジェシーと私はおばあちゃんとひっきりなしにおしゃべりすることになった。

「彼女は信じられないほどの才能を持つ新進デザイナーよ。アルファ後継者の舞踏会に彼女の特注ジュエリーセットを身につけたわ」とジェシーは腕を動かすとブレスレットを鳴らしながら生き生きと話した。

「まあ、新しいブランドの草創期に関われるなんて素晴らしいわね」おばあちゃんはゆっくりとクレープを切り分けながら、口と皿の間に一口分を宙に浮かせたまま私を見た。「トラヴィス、それにいくら使った...