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49話

ジェームズは私がシートベルトを締めると、好奇心に満ちた目で私を見つめる。トラビスが私にどれほど影響を与えているか、彼には顔に出ているのだろうか。彼の周りにいる時間が長くなるほど、私の体は彼を求めてしまう。頬を噛み、太ももを強く閉じて、トラビスの記憶を追い払おうとする。

「やあ、仕事はどうだった?」ジェームズが挨拶する。

「大丈夫、トレッキングは順調だったわ」私は声を平静に保とうとしたが、頭の中はトラビスとの森の中での突然の出会いでいっぱいだった。

ジェームズが私のアパートへ車を向け始めたが、私は彼を止めた。「お父さんの家に行かなきゃ」

「なんで君のお父さんの家に向かうの?」ジェームズは...