3話
トラヴィス
私はパックハウスの床から天井まで届く窓の外を眺め、ニュージャージーの景色を見渡していた。ここからの眺めが好きだ。まるで世界の頂点にいるような気分になる。父はパックハウスの場所を非常に良く選んだ。街の端にあり、減りゆく自然へと続く小道がありながらも、高層ビルが浮いて見えないほど街に近い。我々のパックの大多数はここに住んでいるが、最上階の三フロアはアルファとその家族のために確保されている。私のオフィスは、大理石の床から革装丁の古典や情報文学で埋め尽くされた重厚なマホガニーの本棚まで、ここに足を踏み入れる者に権力と影響力を示すよう特別に設計されていた。隅にある酒類のカートには、最も高価で流行りのある上品なアルコールだけが置かれている——我々の影響力あるパックにふさわしい最高のものだけだ。
今夜、そのカートは大いに活用されるだろう。私が飲んでいたスコッチも、この不機嫌な気分を和らげるにはほとんど役に立たなかった。六年もの間、ダークムーンパックの後継者として使える全ての手段を尽くして、私の頭から離れない女性を探し続けてきた。私たちの出会いはとても短かったが、その時に起きた出来事は私の魂に刻み込まれた。あの遠い夜に一度だけ彼女を味わい、それ以来もっと求めるようになった。
六年間も、その魔女は私の手から逃げ続けてきた。彼女はまるで幽霊のように、私の夢に取り憑いている。スコッチのグラスを飲み干し、デスクに戻った。ダークムーンパックのアルファである父に代わって私がパックのために監督する仕事に首まで浸かっていて、柔らかいキングサイズのベッドに戻れる時間は当分なさそうだ——この事実に、自由を要求する私の狼が不満を鳴らしている。自分の体と心の限界に挑んでいることはわかっていたが、すべきことはすべてやらなければならない。私も数日間森の中へ走り出したいところだが、後継者としてのスケジュールにはそれが組まれていない。出席すべき会議が多すぎ、対処すべき火の手が多すぎて、野生のまま走り回ることなどできない。
ブラッドレッドのアルファの娘との婚約を確定する書類が、約束した瞬間からずっとそうだったように、私を嘲笑っていた。幼い頃、私は家に押し入り、死が間近だと嘲笑った凶暴な獣たちに対して無力だった。子供だった私には、邪悪なローグたちから身を守る力も、希望もなかった。どの獣も動き出す前に、ブラッドレッドパックの前任のルナが私を救ってくれた。彼女の命と引き換えになったあの昔のローグの襲撃が、私の義務の原因だった。それは無実の者に対して人生がいかに残酷になりうるかという最初の教訓であり、二度とそんなに弱くはならないと自分に誓った。
私は膝の上で彼女を抱き、血が私のズボンに染み込み、魂の奥深くまで浸透していくのを感じた。彼女の浅い息遣いが消えていくのは、その後何年もの間、私を恐怖で満たした。臨終の床で、ルナは私に彼女の娘と結婚し、彼女の犠牲への代償としてアルファの地位を主張するよう強く求めた。彼女は何度も何度も、娘がどれほど完璧かを語り、他のパックのメンバーが私たちを見つけた時、彼女の懇願は最後の息を奪った。
父の後を継ぐことはすでに決まっていたが、この婚約は私が権力の座に就いた時に必要な安全保障を与えてくれるものだった。私の母、ダークナイトのルナはこの取り決めを喜んでいた。そこで二人のアルファは私たちの婚約に合意した。合意は成立したが、私たち二人とも結婚適齢期になる必要があった。
その成人の時はずっと前のことで、私が彼らの領地を訪れた夜、あの魔女と出会った。両方のルナへの約束を果たす勇気を得るために、私は大量のアルコールを飲んだ。そんなに飲むつもりはなかったが、パックハウスに行こうと立ち上がるたびに、勇気を失った。その少女に会ったことはなく、強制的に結婚させられる女性と一緒になりたいとも思っていなかった。子供の頃は死にかけている女性に約束をするのは簡単だった。その約束がどんな結果をもたらすかわからなかったからだ。
取り決められた結婚は古代の風習であり、復活させたい伝統ではなかったが、ルナと母は私たちが完璧なチームになると確信していた。彼らはルナの娘が私のソウルメイトだと信じていた。二人の女性がこんなに先の未来、二人の見知らぬ者の心の行く末をどうして知ることができるのか、今でも不思議だが、母の心の中ではその思いは一度も揺らいだことがなかった。酔いつぶれるまで飲んだ後、将来の妻であり伴侶に会う前に、自分の部屋に戻って酔いを覚ますのが最善だと判断した。
シャワーを浴び、タオルを腰に巻いてバスルームを出て、メインルームの隅にあるスーツケースに向かった。そこで待っていたのは、私が今まで出会った中で最も魅力的な雌狼だった。その魔女は私の薄暗い部屋のドアからよろめきながら入ってきた。私に見えたのは、彼女の背中を編み込むようにして流れる漆黒の髪が、青白い頬を覆っている姿だけだった。出ていけと私が唸ると、彼女は甘く従順な鳴き声と共に私に寄りかかってきて、それが私のアルファとしての欲望に火をつけた。
彼女の狼がすぐに反応したとき、私の本能がすべて高まったようだった。キス、触れ合い、喘ぎ声のすべてで、まるで何度も生まれ変わって互いの魂を知り合ってきたかのように、私たちは完璧なリズムで体を動かした。私は彼女を抱き、彼女の甘い声と、私の狼に完全に従う彼女の狼に煽られ、恍惚の爆発の中で一緒に絶頂へと転がり落ちた。私たちは汗まみれに絡み合ったまま、一緒に眠りについた。
私は突然、自分の領地で緊急のパック問題が発生したという精神リンクで目を覚まされた。私は朦朧とした頭で起き上がり、女性の後頭部を見つめた。あの漆黒の髪は想像ではなかったが、彼女の体に私がしたことを見て、責任を取る必要があると感じた。真剣な会話が必要だったので、首にかけていた後継者のお守りを外し、彼女の手に置いた。パックの問題をすぐに処理して、彼女の元に戻り、次のステップについて話し合うつもりだった。
彼女の肩が規則正しい呼吸で上下するのを見つめていた。まるで魔法にかけられたように、私は指先で彼女の露わな肩に沿って走らせ、絹のような髪を肌から払いのけた。私たちの匂いが最も強いはずの場所、彼女の耳の後ろの小さな部分に鼻を寄せたが、何も匂いがしなかった。それは当時も不思議だったし、今でも多くの疑問を残している。
ずっと後になってホテルに戻ると、少女の痕跡はなかった。監視カメラは取り外され、私のネックレスも追跡できなかった。六年間すべての手がかりを追ったが、何も見つからなかった。彼女は記憶の中の幻のようで、誰も匂いのない雌狼について聞いたことがなかった。私のお守りがなくなっていなければ、すべてが夢だったのではないかと思うほどだ。スコッチのグラスに再び注ぎながら、百万回目の願いを込めて、彼女の顔、名前、あるいは彼女を見つけるために使える何かを思い出せたらと思った。
書類を読み返し、感情を脇に置いて、訓練キャンプに向かう前にこの婚約を完了させる時だと悟った。私はこのキャンプを準備するために何ヶ月も費やし、ローグ対策の特別訓練のために最も才能ある指導者たちを招いていた。私の弱さのせいでルナの死の重みをまだ感じていることを知っている人は他にいなかった。もう一度窓辺に歩み寄り、私の領土を見渡しながら、私の民が安全で、幸せで、狼人間の世界の暗い裏側から守られているかどうかを考えた。
琥珀色の液体を飲み干し、私の切望する気持ちをガラス越しに開けた景色の上に漂わせ、魔女に私のもとに戻ってくるよう、一度も会ったことのない女性と結婚しなければならないのを防ぐために私の前に現れるよう、静かに呼びかけた。軽いノックの音で、私はオフィスのドアの方に顔を向けた。ベータが少し笑みを浮かべながらドアを通って入ってきた。「よう、トラヴィス、お前、ひどい顔してるな！」
幼馴染でベータのサミーに向かって私は笑顔を見せた。「ああ、悪いな。ちょっとお前の顔を借りてたんだ」
「ハハ、面白いな」サミーは目を回した。この兄弟のような冗談は他の人がいる前では決して交わされないので、こういう時間があることに感謝していた。私のパックの多くは私に逆らうことを恐れすぎていた。サミーは少し不安そうに見えた。「報告することがあるんだ」
私は彼に眉を上げて笑った。「いいぞ、吐き出せ」
サミーは私の目をまっすぐ見つめ、フォルダを掲げながら言った。「ネックレスを見つけた」
私の心臓は一瞬鼓動を止め、これが別の偽の手がかりではないかと思った。「どこだ？」
「質屋だ。お前のネックレスはある女性によって売られた。彼女の住所も手に入れた」
「明日行く」私は唸った。魔女と対決する準備は十分にできていた。サミーはうなずき、私がこれまで何度も感じてきた失望を理解していた。