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29話

ルー

トラヴィスのオフィスから廊下を軽快に歩きながら、今まで感じたことのないような高揚感が体中を駆け巡っていた。トラヴィスが私の気持ちを気にかけてくれたり、そもそも嫉妬してくれたりしたことを思い返すと、頬が熱くなる。あの夜は、部分的に記憶が曖昧で強制されたものだったにしても、今まで経験した中で最高のセックスだった。あまりにも気持ち良かったから、初めての経験だったらよかったのにと思う。

彼が何か関係を求めているとは思わないけど、私が望んでいけないという理由もない。私は彼を求めている。これまで誰かを求めたことがなかったから、次に何をすべきか分からない。セックスをしたからといって、自動的に...