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23話

ちくしょう!くそっ!三インチのヒールで精一杯走りながら、喉元に迫るパニックと極度の欲望が唇を舐めるのを感じた。彼の唇が私の唇を貪るように感じたあの感触がまだ残っている。まるで私の唇が彼のものであるかのように、あまりにも自然で、彼の息が首筋を撫でる感覚が下着の中に熱い液体を溜めさせた。六年前のレイプ以来、私はどんな男性にもそれほど近づかせなかった。キスしようとしたデートの相手はみな、私を弱く、無防備に感じさせた。トラビスの体が私に触れたとき、彼の目と触れ方に宿る炎は、力強さ、支配力、揺るぎない強さだけを引き出した。ワインのせいで体は変な感じだったけど、トラビスの低い唸り声が私の膝を弱くさせた。肋...