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チャプター 196

ジェームズ(TW):

「おれたちの質問に答えさえすれば、危害は加えない。で、その男の見た目はわかったか?」トラヴィスの声は、自分の子供たちに話しかけるときのそれに変わっていた。命令口調ではなかったが、父親らしい有無を言わせぬ響きがあった。

「ああ」少年は息を切らしていたが、声は先ほどよりしっかりしていた。「茶髪で、プラスチックみたいなつるっとした顔だった。胡散臭い黒い目つきで、気色の悪い笑みを浮かべてやがった。妹の人形を思い出したぜ」

彼が話している間、おれは何か書き留めるものを探してあたりを見回したが、トラヴィスが部屋の隅に取り付けられたカメラを指差した。そいつはいとこの担当だった。おれ...