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チャプター 189

マティ

「もしあちらさんが今そう名乗っているのなら、ですけど。最近は人間界のことに少々疎くて」彼女は皮肉っぽいが軽やかな笑い声を交えて答えた。私たち二人がそれぞれの好奇の対象を吟味する間、静かな時間が流れた。ひとまずバットソーンを十分に観察し終えた私は、その女性の方を向いた。彼女は身を乗り出し、植物の上の空気をくんと嗅いだ。そして鼻にしわを寄せ、こう言った。「あのミントのような香りの中に、奴らを寄せ付けない何かがあるのよ。奴らの副鼻腔を焼くの。私には歯磨き粉の匂いにしか思えないけど」

「この植物のことは聞いたことがありません」私は主に独り言として言った。

「思うに、あの吸血鬼どもが...