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チャプター 188

マティ

威圧的な正面玄関を避けて、私は屋敷の脇手へと回り込み、庭園の方へ続く見覚えのある小道をゆっくりと進んだ。心と体は、SNSでバズった動画の「怪しまれるな、怪しまれるな」という言葉に合わせて、まるで踊るように揺れていた。まるで自分の行動を正当化しなければならないかのように、必死で自分に言い訳を考えようとしていた。さっと見て回ってから家に帰る。せいぜい三十分。誰の邪魔にもならないようにする。ただ色々な植物をちらっと見るだけ。サンプルだって持ち帰らない。ここへ強く引き寄せられたのは、あの広大な庭園エリアのせいなのだと、もう少しで自分を納得させるところだった。でも、それだけじゃなかった...