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チャプター 181

ジェームズ:

「ジェームズ!」俺が人混みから抜け出すのを見て、ルーが叫んだ。頬がほんのり赤らんでいるのから、彼女が酔っているのがわかり、俺は思わず口元が緩んだ。あんなにリラックスしている彼女を見られて嬉しかった。彼女のあんな気楽な一面は、いとこの支えがあって初めて見られるものだった。一緒に過ごしてきた何年もの間、彼女が完全に警戒心を解いたことなんて一度もなかった。蓋のないカップからは決して飲まなかったし、飲み物から目を離すこともなかった。ルーは人混みに背を向けて座ることも、千鳥足になるほど飲むこともなかった。この屈託のないパーティーガールは、隣で見守るように立っている男がいてこそ成り立つの...