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第171章

「ジェームズ」

リースは携帯ゲーム機を取り出してボタンを押し始める。私はクッションに深く身を沈め、顔に優しく触れて傷の具合を確かめる。骨折の具合はきれいだったので、鼻はそれほど曲がっていないはずだ。リースのゲームから電子音と音楽が流れる。彼の方に顔を向ける。「なんで学校に行ってないの?」

「今は正式にホームスクールだよ」リースの指は信じられない速さで動くが、彼の表情は変わらずゲームに集中したままだ。「10歳になったら父さんがアルファ訓練に送るから、今は追加の授業を受けなきゃいけないんだ。母さんは僕が人間世界の勉強で遅れを取らないようにしたいんだって。まあ、僕が後継者だからそんなに重要じゃない...