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143話

トラヴィス

待合室で永遠とも思える時間を過ごした。次々と人が受付を済ませ、案内されて戻ってくるのを見ていた。警備員の交代まで見届け、不安は募るばかりだった。情報やあらゆるシナリオを考える時間が長すぎた。リースは歩き回ったり、泣いたりしたが、私の側を離れなかった。私が立てば彼も隣に立ち、座れば彼も座り、歩けば彼も歩いた。彼が私の慰めを必要としているように、私も彼を必要としていた。その相互の力に支えられていた。以前の私の指示に従う彼の姿は、感心するほど愛らしかった。今は私の膝の上に座り、母親を見つけてここまで連れてきた後のアドレナリン放出で、眠らないように目をパチパチさせていた。彼が先ほど私のこ...