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当時と現在の距離

中に入ると、すでに番になっていたノラが、急いでタヤに挨拶した。

「タヤ、久しぶり」

彼女はタヤの全身をしげしげと眺めた。

「相変わらず綺麗だなんて、思ってもみなかったわ」

「あなたもよ」

目の前で微笑む彼女を見て、タヤも察したように微笑むと、その視線をノラのお腹へと落とした。ノラのお腹は少し膨らんでおり、明らかに妊娠していることが見て取れた。

「これ、私とカミーユの赤ちゃんなの」

ノラは自分のお腹を指差すと、そばにいたカミーユの腕に手を回し、こてんと頭を預けた。

「ノラ、おめでとう」

タヤは、その少女がすでに母親になり、長年の知り合いであるカミーユと番になっているとは思ってもみなかった...