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373話

タヤの同意を見て、アモンは安堵の笑みを浮かべ、苦労しながらドアの方向に視線を向けた。

冷淡でありながら優雅な姿は、まだ防護ガラスのドアの外に立っていた。

外にいる男は、言葉にされなかった答えが何であるかを知っているはずだった。

しかし、もはやそれは重要ではなかった。アモンは生涯ただロザリーだけを愛していたのだから。

おそらく彼は、彼女が無謀にも自転車に乗って彼の車を追いかけた時に彼女に恋をしたのだろう。

バックミラー越しに彼女を見るたび、自信に満ちた輝く笑顔を見るたび、彼は笑みを抑えることができなかった。

愛とは何かを、失って初めて知る人もいる。アモンにとってはさらに遅かった。

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