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36話

「長老ソーリンを探しに行くの?」

テーラは完璧に着こなした上品なスーツ姿で、私がエレベーターを待っているのを見たが、中には入ってこなかった。彼女の質問で我に返り、私は我に返った。

急いでエレベーターに乗らない理由を考え出した。「ごめんなさい、何か忘れ物をしたわ」

かかとを回転させ、振り返って立ち去った。二人の方を見る勇気もなかった。

彼女が走り去るのを見て、テーラは思わず隣に立っているグリフォンを見た。「変ね。どうして彼女、私たちを怖がってエレベーターに乗らなかったのかしら?」

グリフォンは答えなかった。彼の無関心な目には感情が見えず、まるで周囲の何にも興味がないかのようだった。テーラは...