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61話

カイデン

運転しながらラカームのことが頭から離れなかった。ただまっすぐ運転するだけでよかったことに神々に感謝した。ベイビーガールは何が起きているのか全く気づいておらず、窓の外を見つめながら半分眠そうに平和な様子だった。俺たちの真の力と怒りを再び味わったことでラカームは酔ったようになり、俺のオオカミは頭の中で神々に呪われた太鼓のように鳴り響いていた。あそこにいたことで奴は狂ってしまった。正直、俺も影響を受けていたが、もっと自制心があった。俺たちの内にある力は今まで抑え込まれていたが、特にこんな道路の上では奴に好き勝手させるつもりはなかった。

「俺たちは十分強い」と俺は奴にきっぱりと言った。ま...