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ブーム3:第106章

ザイド

王家の儀礼的なあれこれを終え、家族への連絡も済ませると、俺の伴侶はまっすぐに俺の目を見つめてきた。彼女には俺の緊張を隠しきれない。腕を組み、身を乗り出すような彼女のその姿勢に、俺は喉が詰まる思いだった。彼女は直接覚えてはいないかもしれないが、俺が何かを企んでいるか、突拍子もない考えを抱いていることを見抜くと、いつもそういう立ち方をするのだ……。

言葉が出なかった。

「私と話がしたかったんでしょう?」とティファニーが尋ねた。我々はまだ『時の君』を迎える準備を進めている最中だった。彼がパーティーの時と同じ姿で現れるかは分からないが、そうはならないだろうという予感があった。正直に言えば……...