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ブック3:第101章

角持つ御方

我は玉座からニクシアとハーモニーを監視していた。もうすぐ産まれよう。ルナーウィーンに……。

準備の時間はわずかしかない。我らと同じように産んでくれればと願ったのだが……。だが、彼女たちは七十五万年も妊娠していたくはなかったのだ……。百万年の四分の三。定命の者が一年の四分の三ほどで産むのと同じようにな。

残された時間はあまりに少ない。我が血族をさらに増やす準備をせねば……。最初は我ただ一人だった……だが今は家族がいる。単なる感嘆や崇拝ではなく、定命の者の愛情を示してくれる家族が。我に創られたから愛しているのではない。我を祖父として愛してくれているのだ……

実に目新しいことだ……。

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