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307話

スパイシー

ゼイド

俺の伴侶が素肌の胸に手をぶつけてきた。階段を上るのに支えが必要なのだろうと思った。俺たちは第3塔へ向かっていたが、これまで登った塔の中で最も未完成だった。

俺は彼女を優しく抱き上げると、彼女の心臓が速くなるのが聞こえた。

「ありがとう」彼女は照れくさそうに言った。

「いつでもいいよ、愛しい人」俺は小さな微笑みを浮かべて答えた。アルファの伴侶であることには、ちょっとした誇りがある。彼女からの称賛は、マスターたちから授けられるどんな栄誉よりも大きく感じる…闇の生き物である俺がそう言うのだから、それは何かを意味する。

俺たちは大きな集団でヴェリミアに従った。ツアーはほぼ終...